2018年11月25日

ラグビー・スキルを磨くには

相手のパスの行き先を読んでインターセプト。ボールを持っている場所がトライに一番近いので、一目散にトライを目指して相手のゴールに走ります。
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ディフェンスでプレッシャーをかけているとパスをするコースが限られてくるのでインターセプト出来ることがあります。ある意味イチかバチかの賭けみたいなところはあります。成功すればそのままトライ、失敗すればディフェンスがいなくなるのでトライをされてしまうのですが、失敗しても試みたプレーヤーを責めるのはやめましょう。

強いチームは一瞬の隙を突いてボールを一気に前に進めてトライしてしまいます。ボールをサポートするプレーヤーが次から次へと湧き出て来るチームを強いものです。
Rugby IQ2.jpg
フランス代表は、シャンパンの泡のようにサポート・プレーヤーがどんどんと湧き出て来ることからシャンパン・ラグビーと呼ばれました。
➜フランスはこちら

ラグビー・スキルとは、ラグビーの能力のことで、ボールを扱うことや相手をかわす能力、そして何よりも大事なのは、空いているスペースを見つけてボールを動かすことです。ラグビーは限られた時間の中でどちらが沢山得点するかで優劣を争うゲームです。空いているスペースにボールを運ぶことで、トライのチャンスが大きく広がります。
Rugby IQ1.jpg
ラグビー・センスと言ったりもします。トライを取れる良いところにいるセンスのことを言ったりもします。サッカーなどでたまに耳にする嗅覚と言うものです。動物的な勘みたいなものでしょうか。初めてプレーした人がボールをもらったらトライだったと言う運の良いこともあるでしょうが、経験によって身に付くことが多いです。

持って生まれた人もなかにはいるのでしょうが、ラグビーを始めてみたもののセンスが無いなぁと諦めることはありません。練習によって身に付けることが出来ます。

🏉ボールの扱い
こちらをどうぞ。

相手をかわすスキル
…瞬発力
……反応の速さ➜日頃から反応を鍛える、例えば信号待ちで青になったらかかとをあげてから歩き出すとか
……速筋➜スクワット・ジャンプ、普段つま先立ちでいる
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…相手をかわすタイミング
……相手を良く観察する
……相手の意表をつく、重心の反対側、走っているコースの反対側、ダミー
抜き去れなくても良いのです。ボールを生かせる、つなげられるプレーを目指しましょう。

空いているスペース
➜スペースとはこちら
経験を積みましょう。本気でやるほど密度の濃い経験になりますが、始めは二対一で確実にトライが取れるようにします。タッチフットもスペースを見つけるのに良い練習になります。ボールをつなぐゲームで20パスと言うのをやりました。2チームに分かれてパスを20回つないだチームが勝ちです。パスは前に投げてもOKです。地面にボールが付いたら相手ボール。相手はパスをカットするかボールを持っている人をホールディングしたら相手ボールになります。周りを見て空いているスペースに走り込む練習になります。パスを速くするよりも相手のいないところにボールを動かすのが勝つ秘訣です。

身体が小さくてもボールをつなげばトライが取れる。力勝負が苦手なチームは力勝負をしないようなゲーム・プランを立てましょう。
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2018年11月18日

ハイパントの取り方

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空高くキックしたボールのことをハンパントと言います。パントとはボールを手から落として地面に着く前にキックすることを言います。昔は地面を転がすキックのことをゴロパントと言っていましたが、最近は耳にしません。因みにゴロとはグラウンダー grounderのことです。いつの間にかグラバーキック grubber kickと言うようになりました。
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ハイパントは高いボール、ゴロパントは低いボールと覚えました。

ハイパントの利点は、ボールが空中にある間にボールの落下点まで走って行きボールを再び確保することで陣地を前に進められることです。かつての慶應義塾大学がアップ・アンド・アンダーと言うハイパント攻撃を得意としていました。と言うよりは、早稲田大学、明治大学と言った高校ラグビーのエリート集団に大学から本格的にラグビーを始めた雑草軍団が勝つには、パスを華麗につなぐプレーでは無くて、攻撃方法を絞って徹底した戦法だったのです。
ハイパント攻撃.jpg
ラグビーの場合、ボールは確実に取らないといけない。前に落とすとノックオンとなり相手ボールになってしまう。ボールを取ってもそれで終わりでは無くてプレーを続けます。

少年野球をやっていたので、プレーの継続が違うので戸惑いました。野球はフライは取ったらヒーロー。取ったらほとんどの場合はそれでプレーは終わり。タッチアップの場合を除く。逆にボールを落とすとランナーが進塁してしまうので、早くボールを次の塁に投げないといけません。反対にラグビーはボールは取って当たり前。ボールを取ってから走ったり、パスをしたり、キックをしたり次のプレーも大切です。

野球のボールと比べると大きいので簡単に取れるかと言うとそうでもないのです。ボールが大きいので空気抵抗があり、野球のボールよりは遅いし遠くには飛びません。一番難しいのは、相手もボールを取りに来ると言うことです。相手プレーヤーとボールを競い合って取らないといけないのです。そのためには相手との接触が避けられませんので勇気が必要です。

最近は練習方法が発達して来てボールを取るのがとっても上手になりました。相手のプレッシャーに負けずに確実にボールを取れるようになりたいものです。

先ずは、高いボールが取れるようになりましょう。
①落下点に早く到着する
5分前行動では無いですが、早く到着することで余裕が生まれます。そのためにはボールをキックしてくる場所を予測します。かつて日本選手権V7を達成した新日鐵釜石のFBフルバックの谷藤は、相手ボールの時に、わざとキックを蹴ってくるようにスペースを空けておき、相手スタンド・オフがボールを取る瞬間に空けておいたスペースに走り込むと言う作戦をしていたそうです。野球の守備の上手な人ほど派手なファイン・プレーは少ないとも言います。相手の攻撃方法を予測して動きから一早く行動を起こしましょう。
ハイパントマイボール.jpgハイパント2_マイボール1.jpg

②誰が取るか決める
ボールを取る人、バックアップする人を決めます。声を出すことが大事です。万が一ミスが起きてもサポート出来るようにバックアップします。
かけ声

③取り方を決める
相手と競り合いになる時は、より高い地点で取れるようにジャンプします。ジャンプしてボールを取るのは難しいので、相手が来ていなければジャプする必要はありません。22mラインの内側で取る場合は、フェア・キャッチをすると言うオプション(選択肢)もあります。

④取り方の基本
④-1)半身の姿勢
ハイパント1_マイボール.jpgハイパント1_マイボール1.jpg
取れなくても横・後ろにボールを落とすのはノックオンではありません。前に落とさないように半身になります。半身の姿勢は当たりにも強いので、ボールを取った後にタックルされても踏ん張れます。
④-2)両手でボールを向かいに行く
ハイパント_マイボール1.jpgハイパント_マイボール.jpg
④-4)優しくボールを取る
腕でボールがバウンドしないように優しく抱きかかえます。赤ちゃんを抱っこしているように腕で衝撃を吸収してあげます。

⑤取ったらパス
相手はボールをめがけて追ってくるので、ボールをキャッチしたプレーヤーは標的となり、パスをすることでプレッシャーを回避出来ます。相手の動きを周りのプレーヤーが見て指示をしてあげましょう。ボールをキャッチしたプレーヤーが真っ直ぐそのまま走った方が良い場合もあります。

自分でボールを上にキックして確実に取ることから始めると良いです。意外に難しいですよ。練習方法が発達しているので、ボールをキャッチするプレーヤーめがけてダミーを持って当たりに行きプレッシャーをかけます。プレッシャーに負けずに確実に取れるようにしましょう。

昭和のラグビーでは、ハイパントを蹴ってプレッシャーの中、確実に取れることは極々稀だったので、こぼれ球を拾ってトライと言うことが良くありましたが、今のプレーヤーはしっかりと練習しているので取るのがとっても上手になりました。
Israel Folau.jpg
①予測、②かけ声、③準備、④取る、⑤陣地を進める をしっかりと身につけましょう。
➜しっかり練習するにはこちらから


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2018年10月31日

意識を変えると上手くなる

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本来、スポーツとは自発的にやるもの。身体の内側から込み上げて来る、上手になりたい、ライバルや相手に勝ちたい、若しくは自分に勝ちたい。あの人(プレーヤー)みたいになりたい などの欲求を満たすために行うのが始まりです。

ラグビーと言う日本ではあまり有名ではない、どちらかと言うとむしろ人気の無いスポーツを選んだからには、それなりの熱い気持ちがあったはずです。日本代表になって世界の強豪をやっつけて、ラグビーを人気のスポーツにするんだと言う頼もしい人もいるでしょう。テレビで観たラグビーのプレーヤーが格好良くてラグビーを始めた人もいるでしょう。ラグビー好きの父親にいつの間にかラグビー・スクールに連れて来られて、気が付いたらラグビーをやっていた人もいるのではないでしょうか。でも嫌ならとっくにやめてしまっているのに、ラグビーを続けているのは、ラグビーの魅力に取りつかれたか、仲の良い友達が出来たのでしょう。

好きで始めたラグビーなんだけど、今日は練習やりたくないなぁ・・・なんて思うことありませんか? 私は高校一年生でラグビーを始めた翌月くらいから、毎日、雨が降って練習中止にならないかなぁと思っていました。ところがラグビーは雨が降ろうが槍が降ろうが中止になることはありません。そんなに頑丈なラグビーなので、だったらと飛行機がグラウンドに落ちて、練習中止にならないかなぁとも良く思っていました。そんなに練習が嫌いなのに続けているのもおかしな話ですね。
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練習に行くのは嫌々ながら、部室で着替えてグラウンドに出ると、覚悟を決めたのか、嫌々感は不思議と消えていました。やっぱり根っから嫌いな訳では無さそうです。でも走り込みの練習は嫌いでした。自分を追い込むことは誰でもキツイので嫌ですよね。でも嫌なことを頑張れば明るい未来が待っています。と言われても嫌なものは嫌。

社会人ラグビーで強豪チームのグラウンドを借りてゲームをした後に、日本代表のプレーヤーが一人でグラウンドにやって来て、走っていました。腕時計を見ながらグラウンドの縦を往復。200m(ラグビー場の縦は100m)のインターバル走を多分10本。いつも自分達のチームでやっている走り込みの練習からすると、たったこれだけ。でした。
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でも良く良く考えてみると、当たり前ですが、ランパスの往復10本と同じ距離です。一人で黙々と走っていたので、待ち時間がほとんど無く、たったこれだけの時間に感じましたが、走る距離は決してこれだけと言う短さではありません。しかも何秒間隔かは判りませんでしたが、科学的な裏付けがあって設定された間隔で走っていたので、かなりキツかったことでしょう。誰にも強制されないで一人でグラウンドに来て黙々とキツい走り込みの練習をする姿はさすがに日本代表です。

社会人ラグビーを引退してクラブ・チームでプレーするようになった私のゲーム一週間前の練習メニューになりました。時間設定は独自ですが。

決められた練習メニューをこなすだけでも大変なのに。と言う気持ちを少し変えてみましょう。走り込みの練習であれば、ゴール前の5mは絶対流さないとか、走り出しの三歩は全力でとか、から始めて徐々に頑張る範囲を広げて行きます。時間計測をしているのならば、一秒でも昨日よりも速く走れるように。全力走の一秒は10m近くも走れるので、0.1秒、一歩でも速くと言う気持ちを持って走ると身に付くことが大きいです。心肺能力のスタミナ、ダッシュの瞬発力、負けるもんかと言うスポーツをする上でとっても大事な精神力が少しずつ着実につきます。
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指導者はプレーヤーの気持ちが切れないように励ましてあげましょう。反発心の強いプレーヤーには同じ実力のプレーヤーと競争させたり、昨日や前回のタイムと比べてあげたりすると効果的ですし、中には褒めてあげることで実力を発揮するタイプのプレーヤーもいるので、恰好良い走りだね、速いねとおだててあげるのも良い方法です。どなるだけではなく明るく元気に励ましてあげることが効果的です。
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我武者羅に自分を追い込むキャプテン。そんな背中を仲間は見てくれています。高校一年生のラグビーを始めた時から自分自身で自発的にラグビーに取り組んで来ました。我武者羅さは嫌いじゃないぞと応援してくれます。
我武者羅なキャプテン
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自分の臆病さを理解しているところが素晴らしい。臆病を克服するためにも成功体験を重ねて自信をつけるための個人練習を積み重ねている。練習の積み重ねがゲームに表れます。臆病さを肯定してあげられる心の広さが素晴らしいです。
気弱な特訓
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見た目とは違い、相手をやっつけるために、自分の武器を磨く努力が、ゲームでのパフォーマンスにつながります。苦しい姿を見られたくないので陰で努力するタイプのプレーヤーです。
ヤンキーだって頑張る

本人がやる気になることが一番良いに決まっていますが、若い有望なプレーヤーをやる気にさせるのは指導者にとって、もっとも大切な役割です。きっかけを与えてあげて、褒めてあげて下さい。良いところを伸ばしてあげて下さい。
①『タックルが出来ていない。』
 と言うよりも、
②『良く走って止めようとしていた。捕まえたら放さないようにしよう。』
 と良いところをほめて具体的な課題を言ってあげると良いです。やる気スイッチの入れ方を知らない子には、指導者がスイッチの入れ方を教えてあげましょう。
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走り込みで鍛えられた体力と精神力は、ゲームの苦しい時に活きて来ます。苦しい時でも相手の空いているスペースを見つけられる余裕があると良い攻撃が出来ます。

人間の身体は負けず嫌いに出来ていて、鍛えると次にはもっと強くなっているものです。筋肉痛になったことがあると思いますが、筋肉痛は過去に無いくらいに筋肉を使って筋肉がいったん壊れることで痛みが発生します。壊れた筋肉は次はもっと強くなって生まれ変わるのです。より強くなるために太く、速くなって来るのです。

筋トレも走り込みでも、自分を追い込むことで、自分の身体が成長するのです。強くなるには、自分で自分を追い込んでみましょう。人から言われてやるのでは無く、自分からやることに意味があって、成長出来るのです。


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